現役続行へ背中を押した息子の一言 楽天ファンには悪いが「妙に楽な気持ち」で仙台行きを決めた
そして、その間も熱心に誘ってくれていた田尾さんの言葉が引っかかっていた。
「若手もベテランもない。武司の力が必要なんだ。やるからには、横一線の勝負をさせるつもりでいるから」
ベテランに位置づけられる自分にも生きる場所があるかもしれない。そう思い、楽天入団を決意した。最後は息子の言葉が背中を押してくれたように思う。
ただ、自分にはもう実力がないと半ば諦めていたこともあり、妙に楽な気持ちで仙台行きを決めた。
「これは野球の神様がこれまで頑張ってきた自分にくれたご褒美なんだ。最後の1年間、楽天では楽しんで野球をやろう。それですっきりした気持ちで名古屋に帰ろう」
楽天のファンの皆さんには申し訳ないが、そんな軽い気持ちで東北へ向かった。
ほどなくして楽天との契約交渉が始まった。年俸の交渉で初めに提示された金額は「年俸3000万円+出来高払い」だったが、交渉相手だった楽天の初代編成部長の広野功さんに頼み、「年俸5000万円+出来高払い」に上乗せしてもらった。


















