(8)松井監督が語っていた「若手育成」への熱情 《なぜ巨人は弱体化?》に返した痛烈な答え
「次の芽を出そうとする土壌がなかったんじゃないか」
巨人はなぜ弱くなってしまったのか? との問いには、キッパリこう答えている。
「勝てている間に、次の芽を出そうとする土壌がなかったんじゃないか。誰のせいとかじゃなくてね。本当はチームが強いうちに、次の世代、次の時代を担うような若手を育てていたら、現状はちょっと違っていたと思いますね」
松井監督が言うように、18年前後はチームが過渡期だった。今の巨人は、当時と状況が似ている。昨年3位、今年2位。菅野智之や岡本がメジャーに流出し、エースや4番が不在、彼らに代わる若手が育っていない。
巨人は先のドラフト会議で、1位から4位まで立て続けに将来性のある高校生を指名した。松井監督は就任会見で「来年の戦力という意味では、(私に)お構いなしに育成に『全振り』して、とてもすがすがしい気持ち」と苦笑いしながらも、「数年後に素晴らしいドラフトだったという形になるように。それは私にも責任がある」と語り、ドラフト1位で交渉権を獲得した横浜高の織田翔希についてはこう言った。
「世界一の投手になれる可能性のある選手と、もしかして共演できるかもしれないチャンスをいただいた。巨人には巨人にしかない素晴らしい環境がある。球団がいろいろなプランを考え、彼に一番いいものを考えていくと思う」
さる球界関係者がこう言う。
「高校生の指名に偏ったドラフトは、あるいは育成を重視する松井監督への忖度だった可能性はあります。もちろん、松井監督の1年目が現有戦力で惨敗では格好がつかない。新監督に恥をかかせるわけにはいかない球団は今オフ、大補強に乗り出す。広島の森下暢仁、床田寛樹をFAで、レッドソックスの吉田正尚、オリックスの最多勝投手エスピノーザらの獲得調査を進めている。これはもちろん、新監督への“ご祝儀”補強であるのと同時に、勝利と若手育成を両立できる環境をつくるためでしょう」
V奪回はもちろん、自身のような若手の生え抜きスター育成の使命も背負う。 (つづく)


















