「路地裏の資本主義」平川克美氏

公開日: 更新日:

 著者は日本経済は右肩下がりというだけでなく、やがて株式会社という制度も終わるだろうとも予測する。

「株式会社とは投資した金が増えて戻るという期待を基にした資本調達システムで、右肩下がりの状況下では成り立たないからです。つまり株式会社はフィクションなんですよ。株式会社を金主として成長してきた国家も同じです。2つのフィクションはやがて同時に終わりを迎えるでしょう。私たちはまだ“タメ”のあるうちに変わらないといけません。足元を見れば、使える制度や伝統、捨ててしまったけど心地よいものは残っているんですから」

 一元金銭主義から多様性のある社会へ。文明批評の目で、今の日本の立ち位置や経済を見直す必要性を説く。

(KADOKAWA 820円)

▽1950年、東京生まれ。早稲田大学理工学部卒業。現在、㈱リナックスカフェ代表。2011年から立教大学大学院特任教授。著書に「グローバリズムという病」「小商いのすすめ」「経済成長という病」など多数。


【連載】著者インタビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性