冬は酒場、冬こそ居酒屋編

公開日: 更新日:

 こちらは、店を構えた店主自らが書いた実践的な居酒屋論。人通りの少ない路地裏の地下、客が入りにくい欠点になるところを、逆転の発想で生かしていく。

 バイトは雇わず省力化、お通しはあるなしを選べ、しかもセルフサービスのサラダ。オーダーは紙に書いてもらう。刺し身は多品種そろえるより、鎌倉・腰越の生シラス一本で勝負。夏にも食する静岡おでんもセルフでとる。こうした創意工夫の積み重ねで、古びた小さなお店に予約が殺到するようになった。居心地のいい空間はどう作られるのか、目からウロコだ。

(光文社 1600円+税)

■「居酒屋を極める」太田和彦著

 30年にわたり全国の店を探訪した居酒屋評論家の著者は、「神馬」のオビにも「京都の市井にある居酒屋の世界遺産的存在です」というメッセージを寄せている。いい店の見分け方や粋な注文法を伝授する。

 居酒屋は、古くて小さい店がいい。あこぎな商売や感じの悪い店は長く続かないからだ。暖簾をくぐったらどこに座るか。初めてのひとり客は玄関近くやトイレ脇、階段下などの末席がお勧め。緊張せず自分のペースで飲めるからだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々