「美貌帖」金子國義著

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 転機をもたらしたのは澁澤龍彦だ。澁澤に「O嬢の物語」の装丁と挿絵を依頼され、画家としての方向が定まった。30歳を過ぎ、初めての個展「花咲く乙女たち」で画壇デビュー。それからの活躍は目覚ましい。「不思議の国のアリス」の挿絵、「ユリイカ」や「婦人公論」の表紙などで独自の世界を展開するが、画家を職業として意識したことはないという。

 友達も性格など二の次で「顔で選ぶ」というこの人は、何ものにも束縛されずに「美」だけを追い求め、作品世界をつくり上げた。金子國義は、まぎれもない芸術家である。

(河出書房新社 2600円+税)

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