「プレシャスブルー」NHK取材班

公開日: 更新日:

 アンドリューさんに導かれながら、まずはカメラを持たずにクジラに接近。クジラとの関係を築いてから撮影に入るのが二木流なのだ。

 深海1000メートルで暮らすマッコウクジラは、呼吸のために1時間に15分ほど水面に現れる。出会いの時間はわずかしかない。すぐにクジラたちに受け入れられた二木さんは、彼らと海中を自在に泳ぎ、ひとときを共にする。その姿は、まるで心と心が通じ合っているかのように見える(ちなみに彼女は息継ぎなしで6分間も海中で過ごすことができるという)。

 コーダという音を使って仲間同士で会話をするマッコウクジラ。アンドリューさんが、船体をたたくコーダでクジラたちに呼びかけると旧知のクジラたちも現れる。

 時に、2頭の若いクジラに執拗に追いかけられ恐怖を抱いたり、糞の煙幕を張られて近づくのを拒まれたりしながらも日に日に、クジラとの距離は近くなっていくが、ある日を境にぱったりと彼らは現れなくなってしまう。

 その後も空振りが続き、ついに2週間に及んだプロジェクトが最終日を迎えた日、奇跡が起きる。その感動のエピソードはぜひ、本書でご堪能を。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景