遅咲きのジュリアン・ムーア 最新の話題作「アリスのままで」

公開日: 更新日:

 遅咲きの役者は長持ちする。その典型がジュリアン・ムーアじゃないかと思う。なにしろ「ブギーナイツ」で注目されたのが37歳。初めから成熟した印象のおかげで50代半ばでも役柄が狭まらない。そんな彼女の最新の話題作が先週末封切りの「アリスのままで」だ。50歳で若年性アルツハイマーを発症した女性言語学者の役でアカデミー主演女優賞受賞というので既に評判だが、単なる難病ものの域を超える脚本の書きこみと演出が冴える。

 たとえばヒロインの夫は理解ある優しい男だが、妻の病気が医師としての自分の野心の邪魔になるのを内心警戒しているのがあらわだし、ヒロインも「これががんなら誰もが同情してくれる。でも今の私は同情される自分が誰かすらわからなくなる。それが何より恥ずかしいの」と吐露する。真の苦境に立った人間性のとらえかたが一段深いのだ。

 ちなみに2人の共同監督のうちR・グラッツァー氏は長年ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っていたというから(映画の公開直後に死去)、そんなことの反映もあったのだろうか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安倍首相11.20退陣説 「桜を見る会」疑惑で政界の空気一変

  2. 2

    “介護美談”もウソで離婚調停中 問われる小室哲哉の人間性

  3. 3

    「桜を見る会」関連業務“アベ友業者”にオイシイ受注誘導か

  4. 4

    政治家への金は10億円 倉田まり子さんには申し訳なかった

  5. 5

    亡き“パパ”の古い携帯番号に4年間報告し続けたら返信が!

  6. 6

    誰が見ても違反じゃないか 動かない捜査当局の腐敗堕落

  7. 7

    NHK紅白“サプライズ”候補にあがる大物アーティストの名前

  8. 8

    チコちゃんに迫る?「突撃!カネオくん」田牧そらの人気

  9. 9

    “令和のみのもんた”と呼ばれ始め…坂上忍のギャラと不安

  10. 10

    1位は矢沢永吉の7万円 芸能人ディナーショー戦線異状アリ

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る