違う人生を見せてくれる海外文学にハマろう編

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「ユーカリ林の少年」D・H・ロレンス&M・L・スキナー著、大平章ほか訳

 イギリスの農学校の生徒だったジャックは、校長にケガをさせてしまったため、母の母国であるオーストラリアに送られた。母の無頓着な気質を受け継いだ彼は、軍人である父の紳士的な気質に反発し、世間の人とうまくやっていけない自分を〈罪人〉だと思っていた。

 ジャックは親戚の農場で働くことになり、開墾地に家を建てて、いとこのトムと暮らし始める。ジャックはいとこのモニカに引かれ、モニカは農場の手助けに来たレッド家のイースーといちゃつきながらもジャックを求めていた。彼は人種的プライドにこだわり、イースーが黒い肌の娘を抱いた後モニカと一緒になったことが、道徳的には気にしなくても肉体的に許せなかった。だが、オーストラリアの自然の中で暮らしているうちにジャックは野性に目覚めてゆく。文明国イギリスから来た少年が、自分のアイデンティティーを模索する物語。(彩流社 4500円+税)

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