「~石畳の路地裏散歩~ ヨーロッパの窓」上野美千代 写真・文

公開日: 更新日:

 中には、本物の窓と並んで描かれた窓から人が通行人を眺めているだまし絵の窓や、神話や聖人、歴史などをモチーフにした美しいフレスコ画で装飾された窓、スグラッフィート(かき落とし技法)で周囲を幾何学模様で彩られた窓、オーストリア・ウィーンの白と黒のモザイクが斬新な窓など、周囲と競い合うように凝りに凝った意匠が施されているアートな窓もある。スペイン・バルセロナのビルでは、壁一面をキャンバスにして、そうした技術のすべてを駆使して作り上げたような、なんとも豪華な窓のある風景が見られる。

 路地を歩きながら窓に向けられたレンズは、時折、箸休めのように窓の近くの壁にそっとかかる郵便箱や、思わずノックしたくなるような味わいのある扉、路地の窓下に置かれたベンチなどにも向けられる。

 そんなページをゆっくりとめくりながら、今度、旅に出たときは名所名物へと急ぐだけでなく、視線を上げて周囲の街並みを眺めてみなければもったいないなと反省。ひとときの紙上散策がそんな気持ちのゆとりをもたらしてくれる。(光村推古書院 1780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    『スマスロ ミリオンゴッド』が4月に登場 史上最高の射幸性を誇った初代『ミリオンゴッド』の伝説

  2. 2

    侍J投手コーチに飛び交う悪評「データを扱えない」 “構造的欠陥”も相まり大いなる不安

  3. 3

    WBC惨敗は必然だった!井端監督の傲慢姿勢が招いたブルペン崩壊【総集編】

  4. 4

    元プロ野球選手の九州国際大付・楠城祐介監督に聞いた「給料」「世襲の損得」「指導法」

  5. 5

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  1. 6

    高市首相が今上陛下を「こんじょうへいか」と呼んだのは「不敬」なのか?

  2. 7

    自民党からボロクソに言われ始めた玉木・国民民主…無理な要求ばかりで「おかわり君」「おねだりキャバ嬢」

  3. 8

    パチスロファンからは辛辣な声も多数…『スマスロ 北斗の拳 転生の章2』は本当に“期待外れ”だったのか

  4. 9

    元タカラジェンヌは人材の宝庫か? 礼真琴は「新しい地図」入りして原発ドラマで活躍

  5. 10

    「ノーバント宣言反故」の直後に大事件…伊原監督にメンツを潰され、抑えきれない怒りが湧いた