ストーカーがエスカレートし信頼と愛情を考えさせられる一冊

公開日: 更新日:

 砂原は、近くに長期滞在し、毎日、工房に訪ねてくるようになった。そのうち、ストーカー行為がエスカレートし、脅迫状や死んだ虫などが送られてくるようになる。透は幼なじみと協力してストーカーの現場を取り押さえようとする。

 ストーカーには、〈有名人を自分の運命の人と思い込む〉タイプと〈元交際相手などが変貌したタイプ〉がある。透に見えないように悪質な嫌がらせをするのは後者のタイプだ。砂原と別に第二のストーカーがいるのだろうか?

 ミステリー小説のようで手に汗を握る展開を楽しむことが出来る。読み終わった後、人間の信頼や愛情について深く考えさせられる。

「ウォーク・イン・クローゼット」は、28歳のOL早紀の周辺で起きる出来事を服に焦点をあてて描いた小説だ。早紀は男をつかまえる武器として服を選んでいるつもりだったが、無自覚なうちに服によって支配されるようになってしまう。物と人の間で生じた悪から早紀が抜け出していく過程が見事に描かれている。★★★(選者・佐藤優)

(2015年11月26日脱稿)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  2. 2

    沈黙貫く橋本愛vs佐藤二朗「週刊新潮」で反論の泥沼化…SNS連投で"自滅"を心配する声も

  3. 3

    『ひよっこ』再放送記念、神回「ビートルズがやって来る」再録

  4. 4

    骨折で入院中ですが…ブラジルに惜敗した森保Jを巡る一部炎上報道で心が痛い

  5. 5

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  1. 6

    男子バスケ日本代表に激震、ホーバス監督“解任”の真相…過去には八村塁と確執も 

  2. 7

    孤立深まる高市首相…国会10日ぶり正常化でも続く“包囲網” 与党内からも反発の声噴出の自業自得

  3. 8

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  4. 9

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  5. 10

    村上誠一郎前総務相が高市政権バッサリ!「これが本当に保守政治なのか」…突きつけた自民「立党宣言」との乖離