「潰瘍性大腸炎・クローン病がよくわかる本」渡辺守監修

公開日: 更新日:

 潰瘍性大腸炎やクローン病は炎症性の腸の病気で、ここ30年間で10倍以上に患者が増えている。どちらも国が定めた「指定難病」に含まれるため、「一生こんな状態が続くなんて」「普通に暮らしていけないのでは」などと落ち込む患者が多い。

 しかし、東京医科歯科大学医学部付属病院潰瘍性大腸炎・クローン病先端治療センター長の渡辺教授は、「数多くの患者さんを診ている医師の目から見れば、いずれもコントロールは十分に可能」と指摘。たいていの患者は最小限の薬で無理なく症状を抑え、ごく普通の生活を送っているという。

 治療の柱となるのは、薬物治療。治療薬には種類がいくつかあり、炎症の強さ、広がりなどによって適切な薬を選び、使い続ける。潰瘍性大腸炎はもちろんのこと、炎症が深くなりやすいクローン病も、手術を必要とするような合併症を起こさずに済む患者がほとんどだ。

「ふだんの暮らし」「症状があるとき」「妊娠・出産」など場面別で押さえておきたいことにも触れている。徹底して患者の側に立って病気を解説した一冊だ。(講談社 1300円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?