「あなたの人生を変える歯の新常識」田北行宏著

公開日: 更新日:

 雑誌「プレジデント」による55~74歳の男女1000人を対象とした「後悔していること」のアンケートによると、健康後悔の第1位は「歯の定期検診を受ければよかった」であったという。欧米のビジネスマンの間では歯が美しいことが成功への近道のひとつと認識されているが、日本はその点においてまだ発展途上。40歳以上の日本人の実に8割以上が歯周病に罹患しているという点からも、歯のケアがおろそかであることが分かるだろう。

 痛みが出てから歯医者に行けばいいという人も多いが、これは大きな間違いだ。歯周病の初期は症状がほとんどなく、痛みや口臭などを自覚したときには、歯ぐきや骨の壊死が始まっている可能性も高い。さらに、自覚症状がない間も、毎日大量の歯周病菌を飲み込んでいることになる。歯周病の人は心臓病肺炎、各種の生活習慣病のリスクが如実に高まることも、世界各国の調査から明らかになっているのだ。

 健康で長生きしたいという願いをかなえるためには、まず歯の定期検診を受けることが重要であると本書。自分ではしっかりと歯みがきをしているつもりでも、歯と歯の間や歯周ポケットまで完全にケアすることは不可能と言っていい。しかし、3カ月に1度だけ、歯医者でクリーニングを受けることを習慣づければ、歯周病は予防が可能だ。早く始めた人にだけ、明るい未来が待っている!(講談社 840円+税)

【連載】長生きする読書術

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝