「『病気にならない家』6つのルール」上郡清政著

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 健康の鍵を握るのは食事運動などの生活習慣であることは周知の事実だが、気づかぬうちに不調や疾患の原因となっている要素がある。それは、生活環境。つまり、人生の約60%の時間を過ごす、「家」の環境だ。

 例えば、断熱性能の低い家に住んでいる人は、高血圧になりやすくなる。慶応義塾大学やオムロンなどによる共同研究では、断熱性能の高い住宅の住民は最高血圧の平均が121.0㎜Hgだったのに対し、断熱性能の低い住宅の住民の場合は128.8㎜Hgと、明らかな差異が認められているという。

 また、着席時の頭の高さである床上1.1メートル付近の室温が10度下がると最大血圧は平均で5㎜Hg高くなるのに対し、足元付近の床上0.1メートルの室温が10度下がると、血圧は9㎜Hgも上がることが分かっている。つまり、断熱性能の低い家で足元が冷える生活を続けていると、血圧が上昇しやすくなるというわけだ。足元が冷えるとふくらはぎや太ももの筋肉が硬くなり、血流が低下して心臓へ血液を押し戻す力も低下。心臓はよりたくさんの血液を流そうとして血管に負担をかけ、高血圧のリスクを高める恐れがあるのだという。

 ほかにも、原因不明のめまいや頭痛、不眠、イライラなどに悩まされているなら防音性能を、アトピー性皮膚炎には通風経路を見直すなど、あなたと家族の健康を守るための家のチェックポイントを解説。間取りやインテリアも大切だが、まずは“病気になりにくい家”を目指したい。

(KKベストセラーズ 1400円+税)


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