「イップス」澤宮優著

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 今まで問題なくできていたレーが、何の前触れもなくある日突然できなくなる。プロアスリートを襲う、イップスと呼ばれる原因不明のこの病は、有効な治療法もなく時に選手を引退へと追い込むという。

 本書は、そんな症状に襲われた選手が、どのようにそれを受け止め、その後どんなふうに対処したのか、その真相を探ったスポーツドキュメンタリーだ。

 登場するのは、元日本ハムファイターズの森本稀哲と岩本勉、ヤクルトスワローズの土橋勝征、プロゴルファーの横田真一と佐藤信人の5人。

 ライバルに弱みを握られることを恐れてイップスにかかった選手の大半がその症状を隠そうとするなか、たとえば岩本の場合はあえて公表することで克服しようと考えた。そしてボールが捕手に届かないほど症状が悪化した状況下で、自らのやり方を変え続ける方法を選択する。

 人が困難な事態に直面したとき、どう生きるべきかという普遍的なテーマが、選手の姿から見えてくる。(KADOKAWA 1500円+税)


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