「日本のワインで奇跡を起こす」三澤茂計、三澤彩奈著/堀香織構成
ワインのアルコール度数の強さはブドウの糖度の高さに比例するが、甲州ブドウは糖度が低いため、甲州ワインの評価は低かった。三澤茂計が曽祖父が創立した中央葡萄酒株式会社に入社したとき、父に「地獄へようこそ」と言われたという。
外国産ワインの影響で辛口ワインが好まれるようになったが、甲州ブドウは酸の割合が低い。だが、それが寿司などの和食に合うという特長になっている。海外でワイン造りを学んだ茂計の娘、彩奈は「熟成に耐えられるような凝縮度と、甲州特有の繊細さ」を求めて、風味を凝縮させようと甲州の垣根栽培に挑戦。2013年、糖度25度の房が実った。
日本のワイン造りを目指した父娘の奮闘記。
(ダイヤモンド社 1500円+税)