「砂の街路図」佐々木譲著

公開日: 更新日:

 母の四十九日を終えた俊也は、地元の人が郡府と呼ぶ北海道の運河町を訪ねる。20年前、俊也の父親は行き先も告げずに家を出たまま、この街で酔って運河に落ち溺死していた。郡府は、父と母が学生時代を過ごした街だった。20年前、父がなぜこの街にやってきたのかを知りたい俊也は、遺品のマッチのラベルを頼りに一軒の酒場に向かう。店主の佐久間に聞くと、彼と妻の美加も父と同じ大学の出身で、父は美加の通夜に出席するために来道したことが分かる。美加は父が大学2年まで所属していた漕艇部の部員だった。当時の記録を調べた俊也は、40年前に漕艇部内で事件があったことを知る。

 時間が止まったような街を舞台に描く長編「家族ミステリー」。

 (小学館 630円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  2. 2

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    市船橋(千葉)海上監督に聞く「高校完全無償化で公立校の受難はますます加速しませんか?」

  5. 5

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  1. 6

    プロ志望の健大高崎・佐藤龍月が左肘手術経てカムバック「下位指名でものし上がる覚悟」

  2. 7

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  3. 8

    石破首相が「企業・団体献金」見直しで豹変したウラ…独断で立憲との協議に自民党内から反発

  4. 9

    長渕剛がイベント会社に破産申し立て…相次ぐ不運とトラブル相手の元女優アカウント削除で心配な近況

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希“ゴリ押し”ローテ復帰が生む火種…弾き出される投手は堪ったもんじゃない