「雷雲の龍」吉川永青著

公開日: 更新日:

 上総飯野藩剣術指南役の森要蔵は、麻布永坂にある岡仁庵の屋敷に間借りして北辰一刀流の道場を開いているが、国家老の樋口盛秀に頼まれて、道場を離れて藩に詰めることになった。長州藩が異国船を大筒で攻撃するなどの不穏な動きがあり、関東でも尊攘派が騒動を起こすことを警戒しての対応だった。

 徳川家茂が急死し、15代将軍となった一橋慶喜は大政を奉還するが、薩長と公家の岩倉具視が手を結び、倒幕を企てる。徳川譜代の飯野藩藩主保科正益は徳川に累が及ぶのを避けるため若年寄を辞した上で、要蔵に会津の援軍を命じる。

 講談社創業者・野間清治の祖父で、「龍の雷雲を纏うが如し」と評された剣豪、森要蔵の生涯を描く。

(講談社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言