出血すると危険だからと…さかもと未明さん「ヌック管水腫」手術を振り返る
さかもと未明さん(画家・歌手・60歳)=ヌック管水腫
「ヌック管水腫」は、鼠径部(脚の付け根)にあるヌック管(袋状の組織)に液体がたまって水腫ができる病気です。私の場合は約8センチの水腫の中に約3センチの腫瘤ができていました。
異変に気付いたのは、今年7月1日。6月はずっと仕事で海外。帰国して久しぶりにわが家で入浴した際、鏡に映る全身を見たら、鼠径部に小さいロールパンぐらいのものがポコッと出ていて、触ると硬くてパンパン。医師である夫に声をかけて見てもらうと、「ヘルニアにしては硬すぎる」と、すぐにCT検査を段取りしてくれました。
ヌック管水腫らしく、水腫の中に腫瘤を認めるとされた翌週に、かかりつけの大学病院を受診。「腫瘤が悪性だと大変だから切るしかない」と言われ、大腸肛門科を紹介されました。約3週間は検査と安静、8月のお盆過ぎに手術となりました。
手術前日までは腹腔鏡手術の予定でした。でも、おへそだけでなく、さらに2カ所穴を開けてガスを入れ、腹部を膨らませての手術と聞き、怖くなったんです。担当教授に伝えると、「あなたは腹腔内で出血すると危険だから、外から切りましょう。でも、腫瘍の根が深かったら、腹腔鏡に切り替えますよ」と言ってくれ、急きょ、外から切開する方法に変更になったのです。
私は2006年から自己免疫疾患の膠原病を患って合併症だらけ。ステロイドをはじめ1日に62錠もの薬を飲んでいます。骨や血管も普通の人より脆く血流も悪いので、血流改善薬を常用。そのため出血しやすく、手術前2週間はその薬を中止しました。
執刀医は主治医イチ推しの若手外科医。レーザーメスを使い切開して、水を抜き、腫瘤を切除。閉じる時は内側を縫って、表面はボンドのような接着剤で接合したそうです。おかげで傷痕は、1カ月後にはほぼわからなくなりました。また、院内の膠原病内科、麻酔科もチームになりサポートしてくれました。
傷痕よりも私が懸念したのは全身麻酔です。自発呼吸を止めて、人工呼吸の管を肺まで通すため、声帯を傷つける可能性もありました。歌手でもあるので音色が変わるのは困ると伝えると、声帯ギリギリ手前で管を止めて手術してくださったそう。術後も声は変わらず、私はそれが一番うれしかった。


















