「展望塔のラプンツェル」宇佐美まこと著
児童相談所の松本悠一は「こども家庭支援センター」の前園志穂と一緒に、石井家を訪問した。4人の子供のうち、2番目の壮太を最近見かけないという通報があったのだ。ちょうど車で帰って来た石井は、壮太は妻の実家に預けたという。壮太は体格が平均を下回っているうえ、5歳なのに言葉をあまり発しない。1人で街をうろついていると聞いたので、前園は一時保護を考える。
一方、崩壊した家庭から逃れてきたナギサは、双眼鏡でベイビュータワーを見ていたとき、倉庫の前で座り込んでいる子供を発見した。震えている子供を、フィリピン人の息子のカイと2人で面倒を見ることに。
展望塔のある街で居場所もなくさまよう子供たちを描く。
(光文社 1700円+税)