「ドミノin上海」恩田陸著

公開日: 更新日:

 映画監督のフィリップ・クレイヴンが、小さな十字架の墓標の前で地面に突っ伏して泣いている。彼のペットだったイグアナのダリオが、撮影クルーの宿の青龍飯店で、調理されてしまったのだ。

 料理長の王湯元は、厨房の床をうろうろしていた見たことのない動物を、新しい「食材」と思い込んだ。ダリオは夕食の宴に、銀の皿にのせられてフィリップに供されたのだった。

 一方、動物園では、ベテランの飼育係の魏英徳が、パンダの厳厳を見つめていた。――またやる気じゃないだろうな。厳厳は、過去に2回、まんまと檻から逃げ出したことがあったのだ。

 25人と3匹がドミノ倒しのように事件を繰り広げる、息もつかせぬエンターテインメント。

(KADOKAWA 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  4. 4

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 5

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  2. 7

    中川翔子「Switch2転売購入疑惑」を否定も火に油…過去の海賊版グッズ着用報道、ダブスタ癖もアダに

  3. 8

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 9

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る