「愛国とナチの間」高野弦著

公開日: 更新日:

 自由民主党(FDP)のトマス・ケメリヒがチューリンゲン州首相に選ばれた2020年2月5日を、ドイツでは「暗黒の水曜日」と呼ぶ。メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)だけでなく、新興右翼政党、ドイツのための選択肢(AfD)もケメリヒを推していたからだ。

 AfDは難民の受け入れを制限しようとしているが、むしろ国内政策に民族主義的な性格が色濃く、「ドイツ文化」の重要性を強調する。外国人労働者はドイツの文化や価値の継承者と見ず、ドイツ文化を共有する人の増加を重視する。2017年の総選挙のとき、ドイツのアイデンティティーを訴えたのはAfDだけだったのだ。

「愛国」が語られ始めたドイツの現状をリポート。

(朝日新聞出版 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動