「いつまでも白い羽根」藤岡陽子著

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 現在、就業看護師の総数は約122万人で、この10年ほど3万~3・5万人ペースで増えている(ただし、准看護師は減少気味)。看護師になるには、大学または看護学校など3年以上の専門教育を受け、看護師国家試験に合格する必要がある。とはいえ、厳しい看護実習等で、中途退学率も高い傾向にあるといわれている。

 本書は、看護師を目指す看護学校の生徒たちの悩みながらも成長していく姿を描いている。

【あらすじ】木崎瑠美は高校2年生の夏、父親が体調を崩して仕事を辞めてしまった。そのためクラブも退部し、予備校にも通わず国立大学の入試に臨んだが、失敗。仕方なく都内の看護学校へ進むことにした。しかし本気で看護師になろうという気はなく、この先3年間、そぐわない場所で時間を費やすのに何の意味があるのだろうと疑問を抱いていた。

 クラスの仲間とも距離を置く瑠美になぜか親近感を持って近づいてきたのが山田千夏だ。千夏は不器用で失敗も多いが心優しい。千夏は今でこそ天真らんまんで明るい性格だが、中学時代に手ひどいいじめを受けていたという過去があった。子持ちで30代半ばの佐伯は、夫の強い束縛から離れるためになんとしても看護師の資格を取りたいと思っている。圧倒的な美貌と飛び抜けた頭の良さを誇る遠野は、幼い妹を医療過誤と思われる手術で亡くし、そのときの担当医への復讐を心に秘めていた。

【読みどころ】それぞれの事情でこの学校に来ている彼女らと向き合うことで瑠美のかたくなな心は少しずつほぐれていく。そして自らが担当した患者の死に接することで看護師という仕事の意味を知ることに――。新川優愛主演でTVドラマ化もされた、看護学校生の青春群像。 <石>
(光文社 814円)

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