「記憶のほとり」ミーヨン著

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「わたし」は高校2年のときの仲間7人で洛東江の河口に旅行にきて、冬の曇り空を舞う白い鳥の群れを見ていた。

「あれは、なんの鳥!?」とわたしが叫ぶと、「カモメじゃない?」とヨンエかヘギョンが応えた。すると、なんともいえない懐かしさがこみあげてきた。

 カモメという言葉の響きがいとおしい幼なじみの名前のようにふんわりと心に染みた。

 その日の宿は電灯もなく、アルコールランプが頼りの暗い部屋だった。家主に借りたロウソクに火をともしたが、それが消えてしまうと闇が訪れた。

 何も見えない中で誰かの声を聞いた。ああ、彼女ってこんな声だったっけ……。

 記憶を手繰りながら清冽(せいれつ)な文体でつづる7つの物語。

(松柏社 1980円)

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