「水の月」中江有里著

公開日: 更新日:

 テレビの制作スタッフとして働く渡辺百花のもとへ、妹の梅田千愛(ちあき)から手紙がきた。30年前に両親が離婚して、百花は父と、千愛は母と暮らしていた。テレビ番組のエンドロールで百花の名を見つけて連絡してきたのだ。母が膵臓(すいぞう)がんのステージ4で、大腸と肝臓に転移しており、もう手術はできないという。

 離婚のとき、小学3年生だった百花は母の記憶は曖昧だし、3歳下の千愛も父や姉の記憶はなかった。百花は母のことを思い出すことはなくなっていたが、母ががんだと知って、自分が母が大好きだったことを思い出した。

 離ればなれに育った姉妹が、手紙をやりとりして家族の物語をつむいでいく。

(潮出版社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状