「完全犯罪の恋」 田中慎弥著

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 47歳の作家・田中は、月1回、編集者に会う前に新宿のデパートの休憩スペースで時間を潰す。

 ある日、目の前を通り過ぎた若い女性に見覚えがあった。翌月、再び現れたその女性に思わず声をかけると、彼女は田中が高2のときに交際していた緑の娘・静だと名乗る。言われてみれば、少し離れている目が緑に似ている。

 30歳過ぎまで郷里の下関で暮らしていた田中だが、高校を卒業後、緑には一回も会っていない。静によると緑は離婚をしたらしい。静から「母がどうしてああなったのか、本当のことが知りたい」と頼まれた田中は、2人が交際することになったきっかけから、「あいつ」のせいで別れた経緯まで話して聞かせる。

 現在の東京と30年前の下関を行きつ戻りつしながら進む恋愛小説。

(講談社 649円)

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