「忘れ得ぬ言葉」鎌田慧著

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「忘れ得ぬ言葉」鎌田慧著

 福島原発の爆発事故の1年半後の代々木公園での集会で、大江健三郎は中野重治の詩集「春さきの風」から、政治弾圧を受けたヒロインの「わたしらは侮辱のなかに生きています」という言葉を引用してこう発言した。「私らは原発体制の恐怖と侮辱のそとに出て、自由に生きて行けるはずです」。〈大江健三郎〉

 寺山修司の父は戦病死した。母は三沢や立川など米軍基地の周辺を転々として、息子と暮らすことはなかった。だが、寺山は家庭や母親や社会からの「犠牲者」としての自己にこだわることなく、同じ津軽から上京して連続射殺事件を起こした永山則夫を、「私は、私自身の原因である」と言い切れる者だけが自由を得る、と批判した。〈寺山修司〉

 鎌田慧が出会った37人の心に残る言葉を紹介する。

(岩波書店 1980円)

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