「確率は悩ましい」原啓介著

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「確率は悩ましい」原啓介著

 確率というと、数学嫌いな人は難しい数式を思い浮かべてしまうだろう。しかし、「私が結婚できる確率はいくらくらいでしょうか?」という場合の確率もある。これはどう考えればよいのか。まず、ここには3つの不確実性がある。①「私」自身の信念の不確かさ。その人が結婚したいという思いがどの程度のものか。その強さを0から1として強いほど1に近い。②社会や環境のわからなさ。その社会は結婚をすることが通常のことと考えるのかそうでないのか。その強度は0と1の間に示される。③統計的なデータとの比較。各種データや指標を参照しながら演繹的に推測・判断する。こうした不確実性を一つ一つ検証していくことで、自分が何を求め、何を恐れているのかが分かってくる。つまり「確率を考えることは結局、自分と世界の不確実性を合理的な形式で考えようとすること」ということになる。

 本書には、日常身辺で遭遇する確率が取り上げられている。身近な確率といえばギャンブルや宝くじ。誰でも関心があるのは「確率論でギャンブルは勝てるのか?」ということ。ギャンブルといっても確率だけに支配されているものから、論理的、心理的な読みや駆け引きなどが大きく影響するものまで幅広い。著者いわく、確率が支配する部分については、確率の専門家は他のプレーヤーより正しく直観できそうという程度。また宝くじが当たる確率は、通常の賭博に比べて著しく低く、「宝くじを買うことはおおむね愚か」だ。しかし普段の生活では考えられない高額賞金が得られるという刺激とわくわく感を僅かの金額で手に入れられる精神的利益がある。

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