「生き物たちの暮す森」佐藤和斗著
「生き物たちの暮す森」佐藤和斗著
国内外からの観光客で賑わう奈良公園の奥に広がる深く豊かな森「春日山原始林」は、平安時代に天皇の勅命によって、狩猟と伐採が禁じられて以来、春日大社の聖域として守られてきた鎮守の森だ。
市街地に隣接しながらも、原生状態を残す森は極めて珍しく、1955年に国の特別天然記念物に指定。また、この森の価値は、自然そのものだけでなく、春日大社と一体となった文化的景観が評価され、1998年にはユネスコの世界文化遺産「古都奈良の文化財」のひとつとして登録されている。今も遊歩道以外の立ち入りを禁じられている、その豊かな森に暮らす生き物たちをテーマにした写真集。
1400頭以上といわれる奈良公園のシカとは別に、この森にも100頭ほどの野生のシカが生息。シカをはじめとする哺乳類をはじめ、野鳥や昆虫、両生類の貴重なすみかとなっているこの森には、シイやカシなどの常緑広葉樹をはじめ、樹齢数百年のスギやモミ・ツガなどの針葉樹の巨木、秋に紅葉するイロハモミジやイヌシデなどの落葉広葉樹、そして蔓性植物やシダ・コケ・菌類まで、800種もの多様な樹種や植物が自生している。

















