「生き物たちの暮す森」佐藤和斗著

公開日: 更新日:

 そんな森に足を一歩踏み入れると、木漏れ日に照らされた遊歩道の先は、まるで別世界。まさに神域だ。

 見上げるような大木があるかと思えば、木の根元を白く覆うイヌセンボンタケという菌類の群生の上をまるで自らの美しさを誇示するかのように宝石の輝きを放つヤマトタマムシが闊歩している。

 落ち葉に目を凝らせば、わずか1ミリほどのカタホコリが独自の世界を繰り広げ、別の朽ち木では銀色に輝くツヤエリホコリを目当てにテントウムシのようなミツボシチビオオキノコが現れる。

 池や滝、霧に包まれた姿など、四季折々の森をとらえた作品に続き、いよいよ森の住人たちが本格的に姿を見せる。

 獲物を見つけたのか後ろ足で立ち上がって一方を凝視するホンドギツネの子ども、コケに覆われた岩をステージに熱唱しているかのようなミソサザイ、長い尾羽と派手なサングラスでもかけているかのような目の周りの水色の模様が美しいサンコウチョウ、ドクガの幼虫が無数の毒針毛と糸で作り上げた精巧な工芸品のようなさなぎの寝床、青紫をベースに虹色の輝きを放つタカチホヘビの幼蛇など。森に暮らす生き物たちが放つ一瞬の輝きをカメラに収める。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    U18高校代表16人の全進路が判明! プロ志望7人、早大&青学だけで計4人、社会人は2人

  2. 2

    「タンス預金2000万円」相続税はどうやってバレる? 税務署が追う“亡き親の出金”

  3. 3

    巨人“37歳大物トリオ”の来季はどうなる?「田中将大は楽天に帰すのでは」の見立てまで

  4. 4

    中学時代をジャージーで過ごした鈴木奈穂子が、法政大女子高から大学に内部進学してNHK人気アナになるまで

  5. 5

    田中将大が楽天を去った本当の理由…退団から巨人移籍までに俺とした“3度の電話”の中身

  1. 6

    小川晶市長の“ラブホ密会”はなぜ許されたのか? 《前橋の有権者の感覚疑うわ》との批判も

  2. 7

    北島三郎(4)「毎日が目標です。後ろへは戻れない」 地元・八王子のイベントで生涯現役宣言

  3. 8

    佐藤輝明「三冠王」なら年俸いくら? メジャー流出阻止へ阪神が用意する破格の条件

  4. 9

    WEST.重岡大毅の結婚にファンの怒りと落胆…“祝福されないアイドル”がやらかす「3つの誤算」

  5. 10

    高市内閣“小幅”改造の真の目的…首相は「挙党体制」を建前に党総裁選のライバル潰しに虎視眈々