映画「国宝」もそうだった…ヒット作には必ず“口コミ効果”がある
歌舞伎の世界を描いた映画「国宝」が異例のロングヒットを続けている。
さまざまな要因はあるが、口コミの効果をまざまざと見せつけた映画である。映画の宣伝といえば、出演者がテレビジャックするように番組に出まくるのがお馴染みだが、口コミに勝るものはない。
公開前の「国宝」は「歌舞伎の世界の話」と決して反応はよくなかった。伝統芸能とはいえ、いまだに歌舞伎の敷居は高い。多くの人には馴染みの薄い世界。映画館に足を運ぶか懸念されていたが、蓋を開ければ、瞬く間に「面白い」と評判は広がった。見た人から伝言のように今も伝わり続けている。
ヒットした映画には必ず口コミ効果がある。顕著な例が2018年公開の「カメラを止めるな!」。「低予算・無名俳優・単館上映」、おまけに宣伝もなし。ヒットする要素もなかったが、口コミだけで空前のヒットになった。2年前の「ゴジラ-1.0」も宣伝以上に効果的だったのが「面白い」という口コミだった。
同じ口コミでも「国宝」は伝える言葉が「面白い」以外に「絶対見たほうがいい。歌舞伎を知らない人でもわかる」と力説する言葉が多かった。