耳の遠い老人の“聞こえ方”が分かる「ジェロトーク」って何?
次に〈頭をきっちり〉と話すこと。おばあちゃんに「今週の週末、温泉に行きましょう」と伝える場合、初めの言葉を意識する。
「こんしゅうの“こ”、しゅうまつの“しゅ”のことです。例えば、“こ”の発音は、(コッ)と(オ)で構成されています。この“こ”をうまく言えれば、お年寄りにも声が聞こえやすい。コールセンター向け講習では、2週間ほどでマスターします」(坂本氏)
最後はやってはいけないこと。耳元で「おばあちゃん! 水を飲みますか!」とまるで怒鳴っているような人がいるが、〈大声はダメ〉が3つ目になる。
「専門家はリクルートメントと呼んでいますが、大きな音はよりうるさく聞こえます。40代以上の人には経験があるでしょうが、テレビで映画を見ていて、戦闘シーンになった途端、あまりの音の大きさに驚いてボリュームを下げたことがあるはず。これがリクルートメントの初期の症状で、これを高齢者に毎回やっていると想像してみてください」(坂本氏)
実家に到着したら、〈ゆっくり〉〈はっきり〉〈大声はダメ〉を心がけたい。