極度の糖質制限は危険 がん患者が取るべき「正しい栄養」

公開日: 更新日:

 その理由はハッキリしないが、がん細胞が好気性解糖を行うとアポトーシス(細胞死)するという説もある。

「いずれにせよ、がん患者への食事は好気性解糖にプラスになる栄養素を取ればいいのです」

 では、具体的に何を取ったらよいのか?

「『ビタミンB1』はピルビン酸を変身させ、細胞内のミトコンドリア内の代謝経路(TCAサイクル)へ取り込まれる際の補助酵素として働きます。『コエンザイムQ10』はATP生産に必須の補助酵素。『L-カルニチン』は血液中に溶け出した脂肪酸をミトコンドリア内へ誘導することで、エネルギー変換への手助けをします」

 人の体内ではつくれない必須アミノ酸である「分岐鎖アミノ酸」(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)は、そのままミトコンドリア内に誘導され、好気性解糖と同様にエネルギーを産生する。「クエン酸」は乳酸をピルビン酸に戻す働きがあり、がん患者の強い疲労感を解消させるのにも役立つ。むろん、がんの種類や治療法の違いで必要となる栄養素は変わるが、共通するのは手術抗がん剤治療の前に十分な栄養を補給しておくこと。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  3. 3

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 4

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  5. 5

    ドジャース大谷が佐々木朗希への「痛烈な皮肉」を体現…耳の痛い“フォア・ザ・チーム”の発言も

  1. 6

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  2. 7

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  3. 8

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった

  4. 9

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い

  5. 10

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督