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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

早期発見がカギ 胆のうがんは進行すると根治手術が難しい

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 胆のうは、胆汁をためて濃縮する袋で、胆管は胆汁を十二指腸に出す管のことです。合わせて「胆道」といいます。胃に食事が入ると胆のうの袋が収縮し、たまったたくさんの胆汁を胆管に出し、十二指腸に流れ出ます。

 胆汁には消化酵素は含まれていませんが、十二指腸で膵液と一緒になり、脂肪やタンパクを分解して腸からの吸収をしやすくするのです。便が黄色いのは胆汁によるものです。

 ですから、黄疸が表れた時は便の黄色みはなくなり、白くなります。

 胆道がんには「胆管がん」と「胆のうがん」があります。胆管がんは、Nさんのように早期でも黄疸をきたすことがあるため、その際に見つかりやすいといえます(肝内胆管がんは別)。

 しかし、胆のうは袋ですから、そこにがんができても早い時期には黄疸症状はないことが多く、見つけにくいのです。また、胆のうの筋層には粘膜筋板という組織がなく、胃や腸の壁よりも薄いことから、がんが周りに広がりやすい傾向があります。そのため、胆のうがんでは進行した状況で見つかることが多いのです。

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