著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胃がん手術 「治る病気になってきた」というが水増しでは

公開日: 更新日:

 胃がんは年間の新規患者数でトップ。死亡数では肺がんに1位を譲りましたが、いまだに日本人の“国民病”であり続けています。とはいえNDBオープンデータを見ていくと、世間で語られている胃がんのイメージとはだいぶ違った姿が見えてきます。
〈表〉は2014年度の手術数をまとめたものです。胃がんの手術には、「内視鏡」「開腹」「腹腔鏡」の3種類があります。問題は内視鏡です。

 内視鏡的手術の対象になるのは「粘膜内がん」「悪性上皮内新生物」などと呼ばれるもの、つまり胃の悪性ポリープです。内視鏡の先から特殊な器具を出して、こそぎ取るように切除することができます。きれいに取ってしまえば、再発や転移の可能性はほとんどゼロ。そのため、がん保険などでは保障の対象外になっていたり、給付金が出るものでもかなり安く抑えられていたりします。「がん」で「悪性」なのに別モノとして扱われているため、常にトラブルの種になっています。

■4割が治りやすい「粘膜内がん」

 また、粘膜内がんは放っておくと“本物の”胃がんに成長するとされています。しかしそれも確たる証拠はなく、自然消滅するものも少なからずあるようで、いまだに議論が続いています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発