著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

肝臓がんの手術件数 トップは負担が少ないラジオ波焼灼法

公開日: 更新日:

 肝臓がん手術は、大まかに4種類あります。開腹による切除、腹腔鏡による切除のほか、「マイクロ波凝固法」と「ラジオ波焼灼法」が用意されています。

 2014年度の件数を〈表〉にまとめました。もっとも数が多いのはラジオ波焼灼法。がんの中に直径1.5ミリの電極を差し込み、先端から周波数450キロヘルツの電流を流して、がんを焼き固めるのです。体への負担が少なく切るよりも簡単なため、がんの大きさなどの条件が合えば、こちらが第1選択になります。マイクロ波凝固法はラジオ波の代わりにマイクロ波(電子レンジと同じ)を使うのですが、まだあまり普及していません。

 2番目に多いのが開腹手術による肝切除。肝臓はなくてはならない臓器なので、当然部分切除になります。肝臓には再生能力があるので、半分以上切り取っても数カ月で元のサイズに戻ります。しかし血管が多く出血しやすいため、切除には高度な技量が求められます。視野が限られる腹腔鏡手術は難易度が高く、開腹手術と比べてかなり少なめです。

 ほかに「エタノール局所注入法」がありますが、分類上は手術ではなく「処置」に入っています。超音波装置で確認しながら注射針をがんに差し込み、純度100%のエタノール(酒類のアルコールと同じ)を注入するのです。高濃度のエタノールには、タンパク質を固めて細胞を死滅させる働きがあります。がん細胞を「急性アルコール中毒」で殺すわけではありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた