著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

肝臓がん手術 切除なら日大板橋病院、ラジオ波は順天堂

公開日: 更新日:

 DPC公開データで、肝臓がん手術件数の多い病院を見ていきます。

 肝臓がんの切除術は「2区域以上」と「部分切除」に分けられています。肝臓は外科的には「外側区域」「内側区域」「前区域」「後区域」の4区域に分割されています。そのうちの2区域以上を切り取る大手術と、もっと狭い範囲を切除する手術に分けて集計しているわけです。しかし、ここではまとめて「切除術」としました。また、ラジオ波とマイクロ波は「ラジオ波焼灼法」に一括して集計されていますので、そのまま使いました。〈表〉はそれぞれの件数の多い病院をまとめたものです。

 切除術がもっとも多かったのは「日大板橋病院」、2位が「静岡がんセンター」、3位は「がん研究会有明病院」です。上位15病院のうち、実に7病院が東京に集中しています。またラジオ波では「順天堂医院」がトップ、「東大病院」が2位など、上位5位までを東京の病院が独占しています。

 切除術を行っているのは全国で410病院に過ぎません。しかも年間50件以上となると、わずか63病院に減ってしまいます。北陸、山陰、四国、九州などには、この条件に当てはまる病院がひとつもない県がいくつもあります。たとえば鳥取県、島根県、香川県、愛媛県など肝臓がんの死亡率が高い県でも、年間50件以上の切除術を行っている病院はありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?