著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【高血圧薬】主流は「ARB」 使用量は製薬3社が独占

公開日: 更新日:

 降圧剤に関しては、院内処方が約13億8000万錠、院外処方が約47億4000万錠、合わせて約61億2000万錠という、天文学的な数に及んでいます。厚生労働省が発表した「平成26年患者調査の概況」によれば、高血圧で継続的な治療を受けている患者数は約1010万人。単純に割り算すれば、患者1人当たり年間600錠以上も飲んでいた計算になります。

 使用量のトップ10を<表>にしました。1位はオルメテック錠20㎎(第一三共)。「アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(ARB)」と呼ばれる降圧剤に属します。ARBはいまの降圧剤の主流です。1位から10位までほとんどがARBを主成分か有効成分のひとつに含んでいます。4位と9位のアーチスト錠は「β受容体遮断薬」と呼ばれる薬剤。ほかに「アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)」や「カルシウム拮抗薬」と呼ばれるクスリもありますが、上位には入っていません。

 ちなみに臨床試験データの改ざんで大騒動を引き起こしたディオバン(ノバルティス)は12位、1億4000万錠も処方されていました。

〈NDBオープンデータ〉 全国の病院・診療所・調剤薬局で作られた約16億2400万件のレセプト(診療情報明細書)から、検査件数・手術件数・薬の処方量などを集計し、データ化したもの。厚生労働省のホームページからExcelファイルとして公開されている。

【連載】全国の医師が処方した薬 ベスト10

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較