INSPi奥村伸二さん 有棘細胞がんで鼻の半分を失い再建まで

公開日: 更新日:

 一度は風船の圧が強過ぎ、皮膚が壊死しかけて急きょ水を抜くというアクシデントもありましたが、本当につらかったのは、その後の再建手術でした。

 十分にのばした額の肉を逆三角形に切って鼻にするのですが、その肉が鼻として定着するまで血流をキープするために、額の太い血管を剥がしてつなげたわけです。見た目にもひどい状態でしたが、一番ダメージを受けたのは精神でした。もちろん、全身麻酔で手術中の記憶はありません。でも体が恐怖を覚えてしまったのか、手術翌日から震えが止まらなくなったんです。尋常ではなかったので手足を拘束されてしまい、それがさらに恐怖を増幅させて、最終的には奇声を上げて“発狂”していました。

 でも面白いのは、「俺は今、発狂している」という自覚があったことと、「こんな高い音域まで声が出るんだな」と冷静に考えていたことです。結局、精神安定剤を処方されて、スッと落ち着いたんですけどね。

 その後、つないでいた額の血管を切り離し、鼻の形を少し整える手術をしましてこの夏、ステージに完全復活となりました。実はこれで終わりではなく、あえて肉厚に作ってある鼻を薄くし、耳の軟骨を取って小鼻の形を作るという手術が残っているのですが、手術への恐怖心が抜けないので保留中なんです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 3

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    国民民主党“激ヤバ”都議に「免許不携帯」疑惑 日刊ゲンダイの直撃にブチ切れ!【動画あり】

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  3. 8

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 9

    シード漏れ“ほぼ確”渋野日向子が10日開幕の国内戦へ…原英莉花や岩井ツインズ、古江らも集結

  5. 10

    カムバック星野監督の“2カ月20kg”の無茶ぶりに「嫌です」なんて言えるはずもなく…