あと1~2年で実用化 光免疫療法でがん治療は大きく変わる

公開日: 更新日:

 しかし、光免疫療法ではEGFR抗体に光増感剤(IR700)を付けた薬を点滴で投与する。IR700には、近赤外線を当てると熱を放出する性質がある。つまり、EGFR抗体はIR700をがん細胞まで運ぶ「運搬車」の役割をする。そして、がんのある部分に近赤外線を当てると、IR700と結合したがん細胞だけが反応し、熱でがん細胞の膜が破けて死滅する仕組みだ。

■早期がんの手術代わりになる可能性も

 では、「光」に「免疫療法」が付いているのは、どういうことなのか。

「熱でがん細胞の膜が破れると、中身が飛び散ります。すると分かりやすく言えば生ワクチンを接種したのと同じようになる。それまでがん細胞を認識していなかった免疫細胞が教育を受けたり活性化することで、新たにがん細胞を攻撃する可能性があると考えられています」

 連鎖的に免疫細胞が活性化すれば、近赤外線が当たっていないがん細胞も叩けるというわけだ。EGFR抗体は分子標的薬として使う場合よりも少ない投与量なので、人体への負担は軽いという。光増感剤も時間がたてばいずれ体外に排出されてしまう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?