脳性麻痺の寺田ユースケさんが語る 挫折と感動そして挑戦

公開日: 更新日:

 それが過ぎると、退院まで1日12時間のリハビリをやりました。大変でしたが、人生で初めて踵を着いて歩いたときの感動は忘れられません。それまで30メートル歩くだけで息が上がっていたのに、ゆっくりなら1~2キロも歩けるくらいになりました。

 最大の挫折は大学1年のときです。一人暮らしを始め、やる気満々で強豪の障害者野球チームにも入って「俺はここで活躍するんだ」と思っていたのに、やっぱり走れないからレギュラーになれないと知り、完全に挫折しました。掃除も洗濯も食事も困難で、部屋はゴミ屋敷と化し、恋愛もうまくいかず、麻雀とパチスロにはまって荒れた時期もありました。

 それを救ってくれたのは車イスです。それまでは「車イスに乗ったら負けだ」と拒否していましたが、いざ乗ってみたら「あれ?」と思うほど快適で、一気に行動範囲が広がりました。ボクにとっては魔法のアイテム。「かぼちゃの馬車」と呼んでいます。

 それからのボクは、いろいろなことに挑戦しました。お笑い芸人、車イスホスト、「車イス押してくれませんか?」を合言葉に出会った人に車イスを押してもらいながらゆくヒッチハイクの旅……。そして今は、去年出会って結婚した妻と一緒に「寺田家TV」というユーチューブの動画を毎日つくっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  4. 4

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  5. 5

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  1. 6

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由

  2. 7

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  3. 8

    田原俊彦「真ん中の足」「カッチカチ」下ネタ連発で退場危機…フジ問題でも“おまいう発言”で大ヒンシュク

  4. 9

    フジ再激震! オンカジ逮捕「ぽかぽか」演出担当社員が豪語していた夢との落差にア然

  5. 10

    長嶋茂雄さんは松井秀喜の背もたれをガーンと蹴っ飛ばし、「巨人の4番道」を説いていた