重病3つ同時に…シンガー小坂忠さん壮絶闘病から復活まで

公開日: 更新日:

 肉体は肉体で痛み止めを使っても眠れないほど痛かった。ただ、家内がお見舞いに来て、ボクの足をさすってくれるときだけは不思議と眠れました。「私がいるときぐらい起きててくれればいいのに」と言われましたけどね(笑い)。

■絶飲食が終わり、最初に食べた「おもゆ」に涙がこぼれた

 ちょっと面白かったのは、うっかりナースコールをベッドの下に落としてしまったときのことです。動けないときのナースコールは、唯一の連絡手段でしょう? いわば命綱。それを失ってすごく困りました。で、ふとひらめいて枕元にあったスマホを持って音声アシスタント機能を呼び出しました。「シリ、杏林大学病院へ電話して」と言ってみたら病院の代表電話につながったので、受付から病室のフロアのナースセンターにつないでもらい、「○号室の小坂ですが……」と遠回りのナースコールをしたんです。我ながら傑作でした。

 思わず泣いてしまったのは、絶飲食が終わって最初に食べたおもゆです。おもゆって、まるで糊を水で薄めたようなものでしょう? 味も素っ気もない。でもね、50日ぶりに口に食べ物が入ったら感動しますよ。決しておいしくはなかったけれど、「こんなもので?」と思いながら涙がこぼれました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった