年中くしゃみなら注意…不調は「繊毛」にあるかもしれない

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「右胸心がある人のなかには慢性副鼻腔炎や気管支拡張症を合併することが多いことが知られています。この3つの病気を合併していることを特徴とする病態をカルタゲナー症候群と言います。副鼻腔や気管支の粘膜に生えている繊毛の数が不足していたり、動きが悪かったりすることで空気中の不純物を排除できないからです」(川田医師)

 人間は1日2万リットルの空気を吸っている。その中には花粉、ウイルス、細菌、チリやホコリなど多くの異物が含まれている。鼻やのどや気管支の粘膜表面にびっしり生えている繊毛は、これをキャッチして外に追い出すことで暖かく湿ったきれいな空気を肺に送り届ける。

 ところが、繊毛の動きが鈍いとそれができず、慢性副鼻腔炎や気管支拡張症を発症してしまう。

 こうした繊毛は鼻やのどや気管支だけでなく、内耳、卵管、精子、脳、腎臓などにも備わり、重要な役割を果たしている。

 愛知教育大学自然科学系理科教育講座の上野裕則准教授が言う。

「繊毛は、動くものと動かないものの2つに大別されます。動く繊毛は例えば精子です。鞭毛と呼ばれる繊毛と同等の構造が卵子に向かうためのスクリューになります。卵管では生理のときに卵子を排出し、卵管壁の繊毛が受精卵を子宮に送り込む手助けをします。動かない繊毛は、脳内でセロトニンなどの神経伝達物質のレセプター、内耳では平衡感覚を保つためのセンサー、嗅細胞ではにおいの受容体として働いています。また、繊毛は細胞周期にも関係し、がん発症に関わっていることもわかっています」

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