引退まで試合では吐き続け…小谷野栄一さん語るパニック障害

公開日: 更新日:

■病気を「個性」だと受け入れたことで立ち直れた

 立ち直れたのは、病気を「個性」と受け入れたことが大きかったと思います。これは自分で考えた方法なのですが、今は“ゼロ”からのスタート、毎日何かに挑戦し、それを日記に書いて自分を褒め、プレッシャーから解放するように努めたんです。

 たとえば、怖くて電車にさえ乗れていなかったので「今日は駅まで歩けた」「今日は電車に乗って1駅行けた」「今日は電車に乗れなかったけど、2日連続で駅まで行けた」とか“できた”ことを書いていく。そうやって気持ちを前向きにして、少しずつできることを増やしていきました。

 また、その年の秋に行われた「みやざきフェニックス・リーグ」という若手選手の教育リーグに出場できたことも大きかったです。その年、チームは日本シリーズを戦っていたので、フェニックス・リーグの出場選手が足りず、どうしても僕が出なくてはいけなくなってしまったんです。

 打席に立つことさえ恐怖だった僕を、福良さん(淳一・当時二軍監督代行)は「何分かかってもいいから」と見守ってくれて、僕も「今季限りでプロ野球人生は終わりだ。どうせ最後なら、恩返ししよう」と開き直れました。そうしたら、ホームランを何本も打てたり、すごく良い結果が出たんです(笑い)。1カ月間、何とかやりきれたことも自信になりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々