引退まで試合では吐き続け…小谷野栄一さん語るパニック障害

公開日: 更新日:

 札幌の自宅に小児がんを患う子供を慰問したことも力になりました。園児たちの前でもめまいを起こし、マネジャーに支えられたほどだったのですが、小さな体で大病と闘う子供を目にしたら、「自分は情けない。この子たちに恥じない行動をしよう。やるしかない」と前向きな気持ちに切り替わったんです。

 幸い、球団が翌年も契約してくれて、一軍で結果が出せるようになり、去年まで現役を続けることができました。多くの方々に助けられ、幸運にも恵まれました。つらい時、「弱ぇからだよ」と心ない言葉を投げてきた人もいましたけど、「必ず勝つ!!」と、かえって力になったと思います。

 再びグラウンドに立ってからも、パニック障害の症状が消えたわけではありません。引退するまで、試合の日はほぼ毎日、心臓がバクバクで、呼吸の仕方もわからなくなって苦しくなり、吐き続けていました。

 シーズン中、選手は練習して、セカンドアップして、ノックを受けてから試合に臨むんですが、僕だけその後に「サードアップしてくるわ~!」と言って、ひとりでトイレに行きオェーッと。試合前の6~7時間は何も口に入れていないので、胃液か、喉が切れて血を吐く……という感じでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?