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シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

買えず命を落とした人も…米はインスリン価格が5年で2倍に

公開日: 更新日:

 アメリカの医薬品の値段の高さは以前から社会問題化していますが、有効な手が打たれないまま、また薬の高騰が問題になっています。

 1型糖尿病の治療に欠かせないインスリン製剤の値段が過去5年間で2倍に高騰。非営利団体ヘルスケア・コスト・インスティテュートの調べによると、2012年の1年間に1型患者がインスリン購入に支払った金額は約30万円だったのが、16年には60万円に膨れ上がりました。

 このため700万人といわれる1型患者の中には必要なインスリンが購入できなくなった人も多く、4人に1人が勝手にインスリンの投与を減らしたとのデータもあります。結果、命を落とした患者の事例も報告されています。

 なぜ、ここまで高騰してしまったのか? それは、アメリカには国が薬の値段を規制する法律がなく、製薬会社が好きなように価格を設定できるからです。同じインスリン製剤が、アメリカではカナダの10倍、台湾の15倍の値段で売られているとの情報もあります。

 さらに、世界のインスリンはアメリカの製薬3社でほぼ独占的に生産されています。100年近く前に発見されたインスリンは安いジェネリック医薬品が作られていてもおかしくない。ところが、もともと人間の体内で作られるインスリンを製造するためには高い技術が必要でした。最初のパテントを託された3社が、数年ごとに新たな特許を申請し直してきたために、ほかの会社が参入することができない状態になっているのです。

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