毎年検査で精度アップ 便潜血の大腸がん発見率は3年で97%

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 そんなメリットをお話ししても、顔をしかめるのが便秘気味の方。自宅にいるときに便意がなく、出社後に催しても、検査キットがなくて採便できません。それで、1日分しか取れず……。そんな話をよく耳にしますが、1回分でも提出してください。それが、陽性ならすぐ精密検査を受けることです。

 大腸がんは、生活習慣病の要素があって、欧米流の食生活や運動不足などが重なると、発症リスクがアップします。メタボと同じ仕組みです。便秘の人は、運動不足や食物繊維が不足した食習慣が影響していると考えられますから、大腸がんになりやすい下地があるといえるでしょう。

 無理にいきむと、切れ痔になりやすい。イボ痔の人も出血しやすい。そういう人は、「便潜血の結果が陽性なのは、痔のせいだろう」と軽く考えて精密検査を受けずにいるケースが少なくありません。

 しかし、先ほど説明した通り便秘の人はそもそも大腸がんになりやすい要素を抱え込んでいますから、陽性反応の結果と痔を短絡的に結びつけないのが無難でしょう。

 血液は高温になると、細菌に分解されてしまいます。採便後は必ず冷蔵庫に保存するのが鉄則。これから気温が上昇しますから、キットを提出するまで長い時間を要する人は保冷剤に入れて持ち運ぶといいでしょう。

梅田悦生・赤坂山王クリニック院長

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