著者のコラム一覧
奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

便秘予防のために下剤を使うと「弄便」の被害が大きくなる

公開日: 更新日:

 介護する家族がもっとも不快に感じるのは「便いじり行為」だろう。便を弄ぶと書いて「弄便」という。おもらしで床を汚すことも同じだ。家族は慌てて紙オムツをあてるのだが、今度は紙オムツの中に排泄した便をいじり、汚れた手を壁などに塗りたくる。すると家族はもうパニックだ。

「失禁」「弄便」は、在宅介護から施設への入所を考えるターニングポイントといわれているが、それだけ家族の負担が大きいのだろう。

 では「失禁」や「弄便」は避けることができないのだろうか。長く介護職をされている方に尋ねてみた。

「被害が甚大になるのは、便秘を予防するために下剤を入れている場合が多いためです。医師と相談して、正常な便になるように調整してほしい。排便リズムが乱れていることもあります。朝ご飯を食べたらトイレの便器に座るように誘導するとか、そういうコントロールをしてみるのもいいでしょう」

 もうひとつは、できるだけ紙オムツを使用しないことだ。「無理だろ」と言われる方は、実際に紙オムツをしてそこに排便してみたら分かる。あんな気持ちの悪いことはない。認知症になっても「気持ち悪い」感覚は同じである。だから、次のように自分の便を壁に塗るのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」