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永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「統計」より患者個々の違いを重視する医療が始まっている

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 先ごろスタンフォード大学の研究者たちが発表した論文が、ちょっとした物議を醸しています。

 109人のボランティアのゲノム(全遺伝子)と、血液や尿などのサンプルを、平均2年10カ月にわたって詳しく調べ続けたところ、糖尿病や高血圧といったごく身近な生活習慣病でも人によって異なる道筋をたどって発症することが明らかになったのです。

 言い換えれば、診断上は同じ病気でも、共通しているのは症状だけで、原因はそれぞれ違っているかもしれないことになります。

 そうだとすれば、同じ薬でも、よく効く人と全く効かない人がいるのもうなずけます。

 原因に合った薬でなければ、効果が出にくいでしょうし、逆に副作用ばかり目立ってしまうこともあるはずです。

 ゲノムを含む人体の細かい検査に基づいて「病気をごく早期に発見し、さらには症状が表れる前に治療を行おう」という発想から生まれたのが、「プレシジョン・メディシン(精密医療)」と呼ばれる概念です。

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