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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

厚労省が保険適用検討へ「乳がん予防切除」普及への課題

公開日: 更新日:

 これらの遺伝子に変異があると、乳がんのほか、卵巣がんを患うリスクも高い。ジョリーさんの母も叔母も、若くして乳がんや卵巣がんで亡くなっているのです。

 こうした影響から、日本乳癌学会は昨年、遺伝子変異がある人について、乳がんのリスクを減らすため、乳房予防切除を「強く推奨する」と指針を改定しています。今のところ、遺伝子検査も予防切除も自費で、検査は20万~30万円、手術は切除と再建費用を含めると100万~200万円と安くはありません。それが保険で受けられるようになれば、予防切除は普及するでしょう。

 問題は、予防切除が医学的な意味だけでなく、家族への影響も計り知れないことです。若い方だと、妊娠や出産との兼ね合いもあり、変異があるからといって、すぐに手術には踏み切れないでしょう。それだけに、まず遺伝子検査は、カウンセラーがいて、支援体制が整った医療機関で受けることが一番です。

 その上で変異が見つかったときにどうするか。例えば、乳がんを発症しておらず、将来の出産を希望するなら、乳房については乳房MRIでチェックし、卵巣については経膣超音波検査と腫瘍マーカーのCA125の測定です。

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