5年後に治る可能性 「遺伝子治療技術」で難病が消えていく

公開日: 更新日:

 今年9月に、この病気の画期的な治療薬「ビルトラルセン」が日米同時に承認申請された。新薬は原因遺伝子の異常部位をワザと無視する「エクソンスキップ技術」を用いたものだ。患者のDNAと似た構造をしたアンチセンス核酸医薬によって「遺伝情報をダマして」、正常に近いタンパク質作りを実現する。

■新たな医療制度や法律が新薬開発に拍車をかけた

「難病が治らないのはその病気の研究が進まないからですが、背景に患者さんが少なく、『早く治すべき』との世論が形成されないことがあります。そのため公的な研究資金がつかず、研究が後回しにされたのです。患者数が少なければ研究は進みませんし、製薬企業が薬を作ろうとしても、高い開発費に見合った収益が確保できず、開発を断念せざるを得なかったのです」

 この状況を打破したのが「希少疾病(国内患者数5万人未満)用医薬品指定制度」だ。米国で始まった制度だが、創薬や医療機器開発で世界をリードしたい日本もほぼ同じ制度を創設した。承認審査上の優遇を受けられることで製薬会社は創薬に踏み切れるようになったというわけだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」